【2019年2月】ミンスクの一日

こんにちは!今回はミンスクで行われたフィギュアスケート欧州選手権(2019年1月21日~27日) の様子をレポートしたいと思います。2014年5月9~25日はアイスホッケー世界選手権が開催され、今年の6月21~30日にも欧州オリンピック競技会の実施が決定するなど、近年のベラルーシはスポーツ国際大会招致の場として活躍しています。

今大会のフィギュアスケート欧州選手権には日本でも有名なオリンピック金メダリストのアリーナ・ザギドワ選手(ロシア)が参加したこともあって、彼女が出場する女子シングルフリープログラムの種目は早い段階でチケットが完売になるほど大人気でした。1月25日、会場となったミンスク・アリーナは18時の競技開始前から国内外の観客と取材陣で1万5千席が埋めつくされていました。世界中から注目されている大会であることが伺えます。

各選手の滑走が始まると華麗なジャンプが決まっても決まらなくても後押しの拍手が送られ、演技中は曲に合わせた手拍子が自然とわき起こります。滑り終えたばかりのスケーターが観客席に向かって挨拶をすると 、リンクにはぬいぐるみ等のプレゼントが感謝をこめて投げ入れられます。自分が応援する以外の選手の演技にも素直に喜び、地元の選手が出場していなくても大盛り上がりのミンスクの観衆。 フィギュアスケートというスポーツ芸術そのものへの純粋な愛が感じられます。

試合開始から約3時間後、最終グループ滑走前の練習にいよいよアリーナ・ザギドワ選手が登場すると会場全体が大きな拍手で覆われます。駆けつけた多くの子供達も、夜9時半から始まった彼女の数分間のフリープログラムを息をのむように見守ります。。張りつめた緊張感の中、演技を終えたザギドワ選手には数えきれないほどのプレゼントが投げ込まれます。それらを集めるサポートスケーター達が二人がかりでないと持ち運べないほど大きなクマのぬいぐるみもありました。その様子を目にした観客席は暖かい笑いに包まれ、会場の雰囲気が一瞬和みました。

今大会、ザギドワ選手をおさえて優勝したのは、直後に演じた同じロシアのソフィア・サモドゥロワ選手でした。ベストパフォーマンスを披露した彼女が繰り出すエレメントの一つひとつに大歓声が上がり、会場のボルテージは最高潮に達しました。

表彰式後には、メダルを授与された3人のスケーター(金=ソフィア・サモドゥロワ選手、銀=アリーナ・ザギドワ選手、銅=フィンランドのヴィヴェカ・リンドフォース選手)が笑顔でリンクをまわって応援してくれたミンスクの観客に手をふりながらお別れをしていきます。まわりにいた子供も、メダリスト達が自分に向かって挨拶をしてくれたのだと目を輝かせて喜んでいました。

ミンスク・アリーナをあとにして、雪道の帰路につく人々の表情には満足感の温もりがありました。勝負の結果よりも美しい演技や大きな感動と出会えることを楽しみにして、出場した全選手の成功を願って力一杯の応援と拍手を送ったミンスクの大観衆。フィギュアスケートファンとしてのフェアな精神、そしてベラルーシ人の暖かい国民性にあらためて感動した夜でもありました。 (田中 仁)