【2018年6月】ミンスクの一日

こんにちは!5月、6月の時期のベラルーシは日本と同じぐらいの暑さを感じさせる快晴の日が続きます。今回は、現地の大学院に通う自分もお世話になっているミンスク市立33番学生診療所からベラルーシの医療制度についてのリポートです。インタビューに応じてくれたのは33番クリニック学生診療室担当の内科医ヤドヴィガ・オストロウモヴァさんです。

―田中「自身の勤める診療所の紹介をしてください。」

―ヤドヴィガさん「私達のクリニックに通うのはミンスクにある全ての大学で学ぶ地方出身者と外国留学生です。彼らには1年に一回の健康診断を受ける義務があり、約60000人もの学生がこの診療所にかかっています。首都ミンスク出身の学生は各自が登録された地区のそれぞれの診療所に通っています。」

―田中「ベラルーシにおける医療サービスを教えてください。国民、外国人が病気やけがをした場合、どのような条件で医療を受けれますか?」 

―ヤドヴィガさん「私達のクリニックのように国立の病院であれば、ベラルーシ人は診察から検査、手術まで全て無料で医療を受けることができます。ただ外国人の場合は国立の医療施設でも有料での医療サービス提供となり、料金は各自が加入している保険契約サービスによって異なってきます。例えば、受けた医療に対して加入先の保険会社が支払う分と残りの本人が支払う分とがあります。このようにベラルーシ国内に滞在する全ての人は保険に加入している義務があります。」

―田中「その保険ですが、ベラルーシの医療保険制度についてご説明お願いします。」

―ヤドヴィガさん「私たちの国では医療に保険をかけることがありません。いくつかの大企業では職員に緊急医療援助の他にマッサージ・理学療法サービスを受けれる有料保険(会社負担)に加入さえることもありますが。ただ、どこでどういった医療を受けるかは個人の選択になります。国立の医療施設は無料ですが、有料の私立病院に通う人もいます。私営の医療施設は順番待ちがほとんどなく、担当医による診察・アドバイスがじっくりと受けれるメリットがあり、使用している医療器具の違いもあります。どれをよしとするかは本人の意思によります。」

勤務時間中に時間を割いて丁寧に自国の医療について語ってくれた外国人留学生担当内科医のヤドヴィガ・オストロウモヴァさん。その優しいまなざしからは24年間継続してきた仕事への愛が感じられます。 (田中 仁)

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