【2019年6月】ミンスクの一日

ディナモ・スタジアム入口
ディナモ・スタジアム
ディナモ・スタジアム付近
競技場

 2019年6月、第二回ヨーロッパ競技大会がミンスクで行われました。2020年東京オリンピックへの予選もかねているこの大会は、近年ベラルーシで行われた国際行事のなかでも最も大きなイベントのひとつです。大会開催中の6月21日~30日の間には、50か国4000人以上の選手が15競技で競い合い、多くの国々から訪れた観客でにぎわったミンスクは大変な盛り上がりをみせていました。

 なかでも印象に残ったのが大会ボランティアの元気一杯の働きぶりでした。鮮やかなブルーとホワイトのウェアに身を包んだボランティアの若者達が町中に広がり、訪問客を各試合会場に笑顔で案内します。実に106か国24000人もの希望者が8000人のボランティア枠に応募しました。

 6月28日(金)、陸上競技の決勝種目が行われたディナモ・スタジアムを訪れました。2万人以上が収容できるこのメイン会場は、開会式や閉会式の舞台ともなりました。競技場に近づくと大きな手形のグローブをはめたボランティア達がハイタッチをして迎えてくれ、楽しい気分にしてくれます。大会のマスコットキャラクターであるキツネは《友情》を意味するのだと明るく説明してくれました。

 白い雲と青い空が垣間見える美しい屋外会場で開かれた競技会は夕方6時から夜の9時近くまで続きました。その間、人々の熱気と同様に日が沈むことはありませんでした。今回の陸上競技会は様々な種目を競うチーム対抗戦があります。最終種目の男女混合リレーでは地元ベラルーシとウクライナのチームが金メダルをかけてデッドヒートを繰り広げ、観客の盛り上がりは最高潮に達しました。ベラルーシ・チームは惜しくも銀メダルとなりましたが、出場した全選手の頑張りにあたたかい拍手が送られました。

 競技全体を通しても開催国のベラルーシは金メダル・メダル総数ともにロシアに次いで2位と健闘を見せました。大規模なイベントではありましたが、大会期間中もミンスクの町はいつものようにきれいで、和やかな雰囲気が保たれていました。近代的に進化していくミンスクの新たな姿を世界中に発信する催しともなりました。2019年は100の国際スポーツ・イベントが開かれるベラルーシですが、今後も世界の舞台での活躍がよりいっそう期待できます。過去にはチェルノブイリ原発事故による深刻な放射能汚染の悲劇を経験、そして乗り越えてきたベラルーシ共和国。平和を愛してきた国だからこそ今日の成功が一段と輝きます。

(田中 仁)

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