【2019年11月】ミンスクの一日

ゴメリ市中心地の公園
ブレスト市中心地の公園
世界遺産ブレスト郊外国立自然公園入口

 今回も自然がテーマですが、現地の基本情報が分かりやすくまとめられた百科辞典“ベラルーシ~あなたの未来”(2007年)を使用します。ベラルーシ全土の広さは207,600平方キロメートルあり、東西が650km、南北が560km の長さです。人口は約980万人(首都ミンスクに1/5が集中)で、130以上の民族が住んでいます(ベラルーシ人81.2%、ロシア人11.4%、ポーランド人3.9%、ウクライナ人2.4%、その他)。ロシアとヨーロッパ大陸の間に位置するベラルーシは6つの州・118の地区に分かれており、海と山はありませんが自然豊かな土地に恵まれています。

 20,800以上ある川の合計の長さは90 , 600キロに及び、約10,800の湖の水量は7立方キロメートルになります。緑も豊富で、国の面積の62.2%を植物が占めており、その内37.6%が森林地帯(9,300,000ヘクタール以上)となります。実に11,500種類もの自然植物の中で、400種が食物用で、300種が技術プラント、900種が薬の成分に使用されています。その他、1,638種類の維管束植物、430種のコケ植物、477の地衣類、7,000のキノコがあります。また、467種類の哺乳類(309種類の鳥と両生類を含む)、7種の爬虫類、60種の魚と30,000の無脊椎動物(うち70%が昆虫類)が生息しています。

 この動物界のチェルノブイリ汚染地域における変化についてニュースが流れています(ベラルーシ情報ポータルサイト“TUT.BY”に2019年6月14日掲載)。研究者達の調べでは、チェルノブイリ事故後に放射能汚染によって人が住まなくなった地域が原生地域として復活し、希少価値の高い動物が出現しています。人間による自然界への影響と環境保護の大切さを考えさせられる情報です。

 このような立ち入り禁止区域となっていた地区でベラルーシ側からも観光ができるようになった場所があります。“ベラルーシの今日”新聞の2019年4月19日発行記事によると、昨年暮れから汚染区域だった国立パレーシア放射線生態学自然保護区(汚染地域のゴメリ州ブラーギン・ナラブリャ・ホイニキ地区にまたがる)への観光がオープンしました。18歳以上5人からのグループで340ルーブル(約17,850円)、1人で5席分を支払っての参加も可能です。マイクロバスで現地の動物・自然を見ながら博物館や村々をまわるコースで、すでに300人が訪れるなど話題になっています。観光による放射能服用量は、飛行機でこの地域を通過した時に受けるのと変わらないと発表されています。

 ベラルーシで始まったばかりのチェルノブイリ観光については、まわりで参加の是非の様々な意見が飛び交います。行ってみたいという知り合いも多く、ウクライナ側が先駆けて行ってきた観光のほうで実際の事故現場に近づきたいという意見があります。自然を愛する現地の人達がこのテーマに触れる時、祖国で起きた放射能事故による悲劇を二度と繰り返さないとの思いが強く伝わってきます。

(田中 仁)