【2020年4月】ミンスクの一日

教会学校の書道教室に集まった子ども達
教会学校で行われる書道教室の様子
教会学校に通う子ども達の劇
 春を迎えたミンスクからお伝えするテーマは教育システムです。現地の教育省のデータ(2018年)をもとに見ていきましょう。

 総人口約900万人のベラルーシ共和国では3800の就学前教育を行う幼稚園・保育所があります。1歳からの受け入れが可能で、5歳の子供達に限ると全員がこれらの施設に通っています。主に心身の発達と学校教育への準備に重点がおかれたプログラムが組まれており、1週間で学ぶ容量は15時間までとなっています。

 学校へ通う年齢は6~17歳です。新学期が9月から始まりますが、その年の秋に6歳を迎える子供達は翌年からの入学もできます。基本的には11年間の学校教育をひとつの学校で一貫して受けます。最初の4年間は初等教育、5年生から9年生までが中等教育となり、その後の選択肢が豊富になっています。そのまま11年生まで同じ学校に在籍(第二中等教育)するか、専門・特別高等教育機関、カレッジ等に入学することができます。いずれも卒業後に大学へ進学することができます。

 また、よりレベルの高い学校教育を受けれる“ギムナジウム”という教育施設(入学試験必須)で大学進学を目指す子供達もいます。2つの母国語(ベラルーシ語とロシア語)・文学や国の歴史以外の授業科目や学ぶ内容は日本と似通っています。週の総授業時間は一年生から九年生までで23時間~38時間となっています。

 大学は全国に51あり、うち42が国立で9つが私立となり、全学生数は31万3300人です。4~6年の大学在籍期間で、二学期制、約90分の講義が1日に3~5コマ、週5~6日あります。卒業後は2年間のマスターコース(5年制修了の者は1年間)を経て、大学院入学が可能です。

 ベラルーシ人は全ての学業プロセスで無償教育を受けることができます。大学では奨学金を受けとる(無料で学ぶ)ために優秀な成績を出し続ける必要がありますが、多くの学生がこの条件をクリアしています。この奨学金制度を受けて卒業を迎える各学生には“職業振り分け”が行われ、自身で見つけた国内の就職先か、指定された仕事場で2年間働く義務があります。

 学校・大学教育の特徴としては実践やディスカッションが多く、ほとんどの試験は口頭で行われます。10段階評価で、“9”前後の平均成績だと、首席で卒業ができます。宿題はほぼ毎日でますが、長期間の休暇がとられています。学校では夏期休暇が3ヶ月間、秋・冬・春の休みもそれぞれ1週間ずつあります。大学は夏休み2ヶ月、冬休み2週間ほどです。夏の長い休みには大部分の子供達が集団サマーキャンプに参加し、学生が取り組むのは旅行や研修など多々です。

 スポーツや音楽活動の習い事に通う子供達は多く、そういった芸術を総合的に教える施設や教会の日曜学校に通う伝統もあります。ミンスクにある日本ニコライ堂付属の日曜学校で日本語書道教室を開く機会にも恵まれましたが、おしゃべりしながらも仲良く課題に取り組む子供達の姿を見て教育におけるコミュニケーションの大切さを感じました。

 リフレッシュできるまとまった休みを上手く織り交ぜながら様々な経験を子供達に積極的に与えるベラルーシの教育は、数多くの優秀な専門家を国から輩出する重要な役割となっているのではないでしょうか 。

(田中 仁)