被災地の今:川俣町・浪江町

川俣町山木屋地区

川俣町山木屋地区は原発から38kmに位置し、川俣町で唯一避難指示が出された地区です。この地区の避難指示は2017年に解除されましたが、帰還した人は1,300人中300人ほどです。点在するモニタリングポストの値をみると0.09~0.2µSv/h程度でした。道路はきれいに舗装され、多くの田畑の除染が進められていました。田畑の除染は表面の土5~10cmを取り除き、汚染されていない山の土と化学肥料を戻すことになっています。田畑の土1cmを耕すのに10年はかかるといわれています。この土地で再び農業ができるようになるのはいつになるのでしょうか。

除染が終わった田畑
続く道路工事

山木屋地区には復興拠点施設として「とんやの郷」が作られました。飲食店も入っており、お昼時ということもあってか、店内には十数人食事中の方がいらっしゃいました。作業着やスーツを着た人が多く、地元の人というよりは工事関係者の方が多い印象を受けました。町中を車で走ってみても、人気はあまりなく、点在する電気柵のついた田畑がここで農業を再開した人がいること示していました。

浪江町津島地区

浪江町津島地区への入り口

浪江町津島地区は大部分が帰還困難区域に指定されています。2 年前に訪問した際は田畑に柳やススキが生い茂り、脇道もバリケードで閉鎖されていました。その田畑は除染が完了し、きれいに整地されていました。その一方で脇道へのバリケードは相変わらず存在し、住宅の除染にはほとんど手がついていないようでした。窓ガラスが割れ、障子は破れ、雑草に埋もれるようにして2 年前と変わることなく少しずつ朽ち果てていました。人が住まなくなった地域にはサルやイノシシが代わりに住むようになったのか、通り過ぎる車におびえることなく悠々と道を横切っていました。

2019年3月
2021年3月
2019年3月
2021年3月
2019年3月
2021年3月

まだ残るホットスポット

ここ津島地区の一般的な線量は 0.7μSv/h 程度ですが、ホットスポット(放射線量が異常に高い場所)の存在も明らかになっています。軒下で雨水が溜まりやすい場所などがホットスポットになる傾向があるようです。車が通行できる 114 号線沿いの道にも 30μSv/h ぐらいの放射線量があるホットスポットがあることがわかっています。

津島地区の様子
津島地区の様子

浪江町の中心部で進む復興

浪江駅は2 年前に訪れた時と変わらず人気はなく、以前昼食をとった喫茶店は「一時休業のお知らせ」の張り紙があり、営業している様子はありませんでした。浪江駅を通る電車は1~2時間に1本程度です。駅の周辺は住宅の取り壊しが進み更地が広がっていました。駅前に設置されたモニタリングポストの値は2019年 0.209、2021年 0.187µSv/hと漸減していました。

浪江駅
浪江駅前の様子

一方で復興が進むエリアもあります。国道6号と114号が交差する場所に「道の駅なみえ」がグランドオープンしました。農産物やお土産店の販売だけでなく、陶芸体験ができたり、酒蔵コーナーがあったり、無印良品が入っていたりと盛りだくさんの道の駅です。オープンしたばかりということもあり、多くの人でにぎわっていました。道の駅の近くにはイオン浪江店も営業していて、浪江町の中で唯一復興が進みつつあるエリアでした。

道の駅なみえ
店内にはお花も飾られていました