2024年9月

 2024年9月(14日)、957歳になるミンスク(1067年~)、今回はこの首都から30kmほど離れた観光地<ドゥコ-ラ>を紹介します。

 ミンスクから出発したバス・ツアーで行くこと1時間、シヴィスワチ川岸に位置する16 世紀~の歴史的建造物コンプレックス<ドゥコーラ荘>に到着します。入り口で私達を迎えてくれたのは、民族衣装を身にまとったガイドさん達で、馬を従え、手には巨大な角笛のようなものを持ち、当時の雰囲気を存分に醸し出し、中世の世界への案内がスタートします。

入り口にて、参加者に試し吹きさせてくれます

 昔の風習を実体験できる来場者参加型のツアーで、とても新鮮でした。例えば、剣を横に寝かし持ち、その上に “サマゴン”と呼ばれる自家醸造のアルコール(60度ぐらいの)飲料が入った小さなショットグラスを置き、そのまま口に近づけ飲み干します。それから、的に向かって槍や斧を投げる練習、民族衣装をまとって当時の習わしを振り返る劇での実演参加など等、全身で楽しみながら深く歴史を学べる内容の濃いものとなっています。

(左)やり投げの練習させてくれます
(右)剣でサマゴンを飲む風習体験 (提供写真)

 その後、訪れた歴史博物館では各展示室で詳細な解説を丁寧にしてくれました。また、散策時間は馬車に乗れるサービス、ブリヌイ(クレープやパンケーキに似た料理)と紅茶の昼軽食付きと、ここまで約3時間もの満足度が高い観光案内でした。

(左) 博物館にて、展示品
(右)博物館の展示品 (提供写真)

 それから帰りのバスが出るまでの間は、自由行動となります。この自然豊かな場所には、歴史民俗に関するもの以外にも、まだまだ面白い場所が盛り沢山です。

 なかでも印象的だったのが、全てが<逆さまの家>です。外観も内装も天地逆転した二階建て造りで、多くの観光客を惹き付けます。中に入ると、天井(上になった床)に机や椅子等の家具が逆さに張りついており、自身が歩く傾斜のある床が実は下になった天井など、少し目がまわってしまうユニークな人気モニュメントです。

(左)逆さまの家、外観
(中)逆さまの家、部屋の中にて
(右)逆さの家の中から (提供写真)

 この特殊な家を出ると、美しい川の流れが見渡せます。反対岸沿いには昔の生活様式が分かる家屋や、実際にそこで製造されている陶磁器の芸術品が並ぶなど見どころ満載です。

(左)川岸にある工房で陶器が製造されています
(右)ボートをレンタルして川下りもできます

 橋を渡り戻って来ると、深緑で覆われた森林が広がっています。その中を歩いてると “山姥”や “赤ずきん”のおとぎ話を語る小屋・小部屋があり、リンゴの木がそびえ立ちます。

 さらに先に行くと、動物園があり、国のシンボルでもあるバイソン属の“ズーブリ”を筆頭に、シカ、ヤギ、ブタ、ダチョウ、アヒルなど多種多様な生物を見学できます。

(左)森の中にある山姥の小屋
(中) ズーブリ親子
(右)動物園にて (提供写真)

 その横には、レトロな車がズラリと並んだ博物館が隣接し、出口に向かう途中には、たくさんの(機械を使わない)アスレチックがある公園から子供達が元気にはしゃいでいる声が響いてきました。実に様々な楽しみ方ができる場となっています。

レトロな車のコレクション

 親子連れでの参加が多かったツアーでしたが、自分のお子さん達が外で(大自然のなかで)体を動かす姿を、各ご両親とも微笑ましく眺めていました。子供達は、2~3時間の自由時間では遊び(物足り)ない様子で、まだ帰りたくなさそうでした。きっと「また来たい」と思って帰路についたことでしょう。

中庭にて (提供写真)

 歴史の空間で自然と付き合うことの大切さを学ばせてもらった有意義な一日でした。現代では、カメラ付き携帯を持ち歩くことが日常となっていますが(もちろん、今回もレポートのために持参は必須でしたが)、次回はそういった機械類を一切持たず行ってみたいと思えるような魅力溢れる場所でした。

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