■のぞみ21開設へ そして1995年、ゴメリ市内の建物を改装し、工房「のぞみ21」が誕生しました。改装や修理は、元大工だったステファンが担当し、スタッフやその家族たち大勢が手伝いに来ました。遠くからうわさを聞いて、のぞみ21に入りたいとやってきた、障がいをもつ家族もいました。 ところが、実際にのぞみ21を運営していくことは大変なものでした。子どもたちそれぞれの能力を引き出すにはどうすればよいか、運営の仕方など、すべてが二人にとって初めてのことでしたが、オレッグやスタッフたちに励まされ、やっと歩き出した矢先、二人を大きな不幸が襲いました。 それは、これま・ナ工房を中心的に支えてきた、オレッグの死でした。甲・腺ガンの発見が遅れ、肺へと転移したことが原因でした。医療技術や医療システムが不十分で、医療器具や薬も不足しているベラルーシでは、このようなことも少なくありません。20歳という若さでオレッグを失い、悲しみに暮れる二人を支えたのは、何よりものぞみ21を必用としているスタッフの存在でした。
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