放射能による汚染は広い範囲におよびました。原発周辺だけでなく、200km以上離れたところでも高濃度汚染地域が広がっていたのです。事故によりさまざまな放射能が大気中へ放出されました。
なかでも問題とされたのがヨウ素131による被曝でした。ヨウ素131は半減期(最初にあった放射能の量が半分になるまでの時間)が8日と比較的短いのですが、甲状腺(こうじょうせん)が特異的に被曝を受けるため、こどもたちの間にガンや機能障害などの深刻な影響をもたらしました。(※コラム?参照)
また長期的に問題となっているのがセシウム137です。こちらは半減期が30年と長く、遠くまで飛んで行き、食べ物にも取り込まれやすいという特徴があります。そのため外部被曝(体の表面から被曝すること)だけでなく、内部被曝(放射能をおびた空気を吸ったり、水を飲んだり、ごはんを食べたりして、体内で被曝すること)ももたらされます。
このセシウム137で比較した場合、チェルノブイリ原発事故では広島に投下された原子爆弾の数百倍もの放射能が放出されたと言われています。
放射能は大地や水、空気を汚染し、そこで暮らす生物すべてが汚染されてしまいました。ロシア、ウクライナ、ベラルーシの3国の汚染地域の総面積は145,000k?とされています。約600万人の住民がこの汚染地域内での生活を余儀なくされています。
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