手紙がつなく子どものこころ ベラルーシの少女ナターリャと、日田市の小学生たちとの交流
報告/小山 浩一(チェルノブイリ医療支援ネットワーク理事、小学校教諭)
大分県日田市内の小学校で、チェルノブイリを伝える授業に取り組んでいます。
昨年は、担任ではなかったのですが、総合学習をまかされた5年生に、ベラルーシの現状や支援活動のようすを伝えました。とくに04年のスタディツアーで会った「のぞみ21」のナターシャさん・ステパンさんの孫、ナターリャのことを紹介しました。
ナターリャのお母さん、ニーナさんにもそのツアーで会っているのですが、次の年にニーナさんは胃がんで亡くなり、05年のスタディツアーのときには、おばあちゃんたちと悲しみの中で暮らすナターリャに再会しました。
「何キロも遠くのナターリャだけど、みんなで励ましのたよりを送ろう。」と、検診団の一行に5年生からのたよりを届けてもらいました。ベラルーシなんて聞いたこともない子どもたちですが、私が自分の目で確かめてきた話や写真・ビデオで、ナターリャはみんなの心の一部になっていきました。
その後、検診団が持ち帰ってくれたナターシャさんのビデオレターやナターリャの絵をみんなが喜んでくれ、教室や廊下に掲示しました。
昨年度末に届いたナターリャからのたよりはとびきりの感激でした。今回は8名だけでしたが、個人宛のものだったのです。ローマ字で名前を書いて送っていたのですが、8名に宛てた絵だよりが届いたのです。
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ナターリャちゃん |
絵だよりをもらった子たちは大喜び。おばあちゃんがナターリャに描かせてくれたのでしょう。検診団の滞在時間の関係で残りの子たちは残念でしたが、次回に期待したいと思います。
さっそくたよりの届いた子どもたちがナターリャのたよりを持った写真を撮り、お礼のたよりを添え、しかも今回は、チェルノブイリ医療支援ネットワーク理事でロシア語通訳者でもある山口さんに翻訳をしてもらって郵送することにしました。
6年生になった36人のこの子たちを、今年、担任しています。「日本の子ども」ではなく、ナターリャと名前と名前でつながった子どもたち。これからも励まし合う関係を深めていきたいと思います。
経営面でも厳しい状況にある「のぞみ21」ですが、日本の子どもたちからの気持ちが少しでも支えになればと願っています。
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