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チェルノブイリ通信 No.52 (4)
2002年3月17日発行
チェルノブイリに関わる人々
カーチャ医師を偲んで
のぞみ21の民芸品にまつわる情報
・飯倉小学校訪問
「映画を撮りたい」 本橋成一監督
映画「ナージャの村」に寄せて
走れ!雪だるま号
ベラルーシからの手紙
・ 募金をいただいた方々

〜日本の子どもたちとチェルノブイリ〜
福岡市立飯倉小学校で授業

運営委員 津島朋憲

2月27日、運営委員・津島朋憲と事務局・谷口恵は、福岡市立飯倉小学校の6年生の授業でチェルノブイリやベラルーシ、わたしたちの活動についてお話をしました。子どもたちは「世界の中の日本」というテーマで学習をしています。

 教育機関として、ひとつの形を持っている学校でも、最近では僕のような人間の話を授業中に聞こうということになったりする。時代も変わったものだと思う。努力や根性を基本にして何かを積み重ね、その蓄積の結果、何らかの実を収穫しようとする生き方は、明確に時代に否定されつつある。そういう意味では、この数十年間は、人類史上まれにみる「形の努力と蓄積が実る」価値が絶対に近かった時代だったのだと判断できる。努力が出来ない僕は、その価値観の中でいつも周囲にさいなまれてきたし、期待に添えるように、からまわりもしてきた。

 ただ、努力と意識していなくても、人の役に立ち自分の人生の蓄積とすることは可能だ。出発点さえ間違っていなければ、この生き方にも色々良いところがある。たとえば「・・・ねばならない」という活動の形態では、大儀は大切に出来るが、多くの人がそこに参加するときのハードルを感じる羽目になる。最近では様々な団体・目標・充足感がそろってきた日本の市民運動は、そうした大儀でなんらかの目標を追求する以外の価値を求めても良い時を迎えている気がする。
 「なんでチェルノブイリ支援運動・九州に関わったのですか?」という質問を受けたとき、器用貧乏と言われ続けた僕自身が、何かに流されながらあるひとつの活動に出会って携わり、そこで得た何かを伝えていく位置に立っていることを改めて実感した。今回の授業では現地での様々なトラブル、英語を勉強することの大切さ、日本では起こらないどんなことが起こるのかなど、知識ではなく、何かを考えるきっかけになるようなことを伝えたつもりだ。
 最初に3クラスを前にして30分、各クラスを前にして30分の時間構成で、子どもたちがはっきり知らないかもしれないそれぞれの言葉を対話しながらしっかり説明する時間がなく、ゆっくりクラスの雰囲気を整える事もできなかった。だから、自分としてはあまり出来の良い授業ではなかったように思っている。
 ただ、長目に時間を確保してもらっても、関われる時間は人生全体から考えればわずかな時間だ。だから、僕が教室から出た後、その人生について子どもたち自身が何かを考えようとするとき、話したことが心の隅に引っかかり続けてくれさえすれば、という想いで授業をした。効果のほどは神のみぞ知る。
 これからは子どもたちが色々な生き方をしている人に触れあう機会が、もっと増えればいい。知識より思考力が大切と言われて久しいが、こういう機会が思考に根ざすきっかけになると思うからだ。そうして、一人一人の人生が、地域、世界が豊かになっていく未来を想像し、信じ、現実のものとしたい。それが本当のプラス思考なのだから。

津島さん 谷口さん
飯倉小学校にて

出張勉強会 講師派遣します! 支援活動の経験者と共に考えてみませんか?
 チェルノブイリ原発事故やその後のベラルーシの状況、チェルノブイリ支援運動・九州の活動などについてもっと知りたいと思っているみなさん、今回の稲倉小の授業のように、チェルノブイリ支援運動・九州から講師を派遣します。学校の総合学習のテーマとして、お茶の間自主勉強会のスパイスに、医療を勉強する学生さんたちの研究材料として・・・生きた情報を活用してみませんか?話の内容、難易度、費用などはご相談に応じます。
 お問い合わせは、チェルノブイリ支援運動・九州事務局まで電話・FAX・e-mailでお気軽にどうぞ。
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