チェルノブイリ医療支援ネットワーク トップページチェルノブイリ支援運動・九州 トップページ
 > トップ通信No.49 (1)
チェルノブイリ通信 No.49 (1)
2001年3月10日発行
・「〜原発事故から15年〜チェルノブイリからの報告」開催に向けて
発行から4年、もう一度振り返る
作文集の作者たちは今・・・リュドミラチュプチクさんの紹介
現地を訪れる意味 チェルノブイリスタディーツアーの思い出

チェルノブイリ原発事故15周年企画
「原発事故から15年〜チェルノブイリからの報告」開催に向けて
一本の糸でつなぐ、チェルノブイリ支援と脱原発の想い
新しい時代の市民運動の「風」を感じてください。

 今年4月、チェルノブイリ原発事故から15年目に合わせ、チェルノブイリ支援運動・九州ではベラルーシ共和国の人びとを招き、日本各地での報告会を企画する。会場は東京、京都、広島、鹿児島、宮崎、大分、佐賀、福岡の8カ所で予定。開催には、各地の会員の方以外にも、大地・原発とめよう会やプルトニウム・アクション・広島、反原発ネット串間、原発いらん!下関の会など長年にわたり脱原発運動に関わってきた市民団体や、細川弘明氏(現佐賀大学農学部、4月より京都精華大学環境社会学科)、アイリーン・スミス氏ほか多くの方が関わって下さっている。九州では、佐賀の玄海原発、鹿児島の川内原発、宮崎で建設中の小丸川揚水発電ダム(詳細はhttp://www.mnet.ne.jp/~aokys/)など、反原発運動が盛んな地域で開催される。鹿児島会場で名乗りを上げた串木野市・阿久根市は、ともに川内市の隣町。阿久根市は、川内原発3号炉増設に最初に反対した市議会のあり、串木野市ではベラルーシからのゲストと共に市長表敬訪問を予定している。
 それぞれの地で原発に関心の高い市民の方々とリンクする形で報告会の準備が進められる今回の企画は、チェルノブイリ支援と日本の脱原発運動に関わる人々の間を、ちょうど一本の糸でつなぐ形になっている。「チェルノブイリを忘れない」。そんな想いを紡ぐように、報告会の準備は着々と進んでいる。

*ゲストの紹介

・子どもたちの心のケアに取り組む  2度目の来日 リュドミラ・ウクラインカさん
 ベラルーシ共和国では、事故後広大な大地に降り注いだ放射能が原因で、甲状腺ガンが多発、特に事故当時成長期にあった子供たちの間で、小児甲状腺ガンが急増した。医療技術の遅れや経済混乱は被害をさらに拡大させ、今もなお慢性的な医薬品の不足にあえいでいる。
 ゲストの一人、リュドミラ・ウクラインカは、15歳の時甲状腺ガンを経験した。その時非常に深い心理的ショックを体験し、人生の転機を迎えたと話す。発見から手術までの期間も短く、何も分からないまま手術台へ上がり、麻酔をかけられて次に意識が戻った時、彼女ののどには大きな術痕が残っていた・・・その体験をリュドミラはこう語る。
 「何が起こったのか理解できず、ただ悲しくて仕方なかった。両親も兄弟も誰も私の悲しみを和らげることはできなかった。悲しみと怒りをどこへもぶつけることができず、自分自身を呪った。しかし悲しみの中、私は一つの答えを見つけた。「私は生きている」と。私が今、生きていることこそが大切なことだと気づいた。その後、私ならば同じ境遇の子供たちの心を理解してあげられるのではと、カウンセラーを目指すことを決めた。」
 リュドミラはその後、ミンスク教育大学医療心理学へ進み、現在では暴力を受けた女性や手術の後心の傷の癒えない子供たちのケアに当たっている。

・創作を通して、自立を目指す
工房「のぞみ」ナターシャ・ステファン夫妻 スタッフ エレーナさん

 甲状腺ガンを経験した若者や、障害を持つ青年たちの自立のための工房「のぞみ21」からもステファン、ナタリア夫妻、スタッフのエレーナが来日する。「のぞみ21」は、甲状腺ガンで息子オレグをなくしたステファン、ナターシャ夫妻が、チェルノブイリの被害を受け、白血病や甲状腺ガンなどの病を患い、そのため働く場所を得ることができない若者たちのための工房として設立した。現在では、チェルノブイリの被害者に限らず、心身に障害を持つ人々も受け入れ、繍、木工製品や民芸品、洋服などを生産し町の店舗で販売。さらに日本でもチェルノブイリ支援運動九州を通して販売され、多くの人に親しまれている。
 この工房「のぞみ21」に起こったチェルノブイリの悲劇は、この工房の設立に力を尽くした息子オレグの死だった。それは一九九五年の冬、甲状腺ガンが肺に転移していると分かったときには、すでに手遅れだった。悲しみに暮れるステファンとナタリアだったが、オレグの残した思いや仲間と一緒に、この場所で仕事したいと励ますスタッフの声に支えられ、現在でも「のぞみ21」の運営に当たっている。

*事務局より
二四歳のリュドミラや「のぞみ21」のステパン、ナタリア夫妻の姿から私が感じるのは、チェルノブイリと直面せざるを得なかった経験を乗り越え、希望を持ち明日へと生きるその「強さ」です。地道な医療支援活動に取り組む中、ベラルーシの医療スタッフの熱意や彼らたちの声は、私たちにとっても希望の光のようなものです。
 二〇〇一年四月二六日、世界はチェルノブイリ原発事故から一五年目を迎えます。ぜひ一人でも多くの方と、チェルノブイリからの声を共有できればと願っています。 (事務局 寺嶋 悠)

「〜原発事故から15年〜チェルノブイリからの報告」
4/14(土)東京 <明治学院大学白金キャンパス>予定
4/15(日)京都 <京都精華大学>予定
4/18(水)広島 <広島留学生会館>
4/20(金)鹿児島・串木野市 <友愛幼稚園>
4/21(土)鹿児島・阿久根市 <会場未定>
4/22(日)宮崎・串間市 <アクティブセンター串間> (反原発ネット串間・竹下)
4/24(火)大分・中津市 <会場未定> (草の根通信・松下)
4/26(木)佐賀(予定) <会場未定>
4/28(土)福岡<福岡市女性センターアミカス>予定

お誘い合わせの上、ぜひご来場下さい!!*すべてのお問い合わせは・・・
チェルノブイリ支援運動・九州
TEL/FAX : 093−203−5282
〒807-0052 福岡県遠賀郡水巻町下二西3-7-16ウインドファーム内
Email : jimu@cher9.to
報告会会場では、チェルノブイリ写真や「のぞみ21」作品の展示、書籍の販売を行う予定です。

次の頁へ 次のページへ
この頁のトップへ 上へ
■NPO法人 チェルノブイリ医療支援ネットワーク
  Chernobyl Medical Support Network
  〒811-3102 福岡県古賀市駅東2-6-26 パステル館203号
  TEL/FAX   : 092-944-3841  e-mail : jimu@cher9.to
  Copyright © 2011 Chernobyl Medical Support Network All Reserved.
ベラルーシ料理と民芸品の部屋
今後の予定原発事故支援運動・九州移動検診出版物通信リンクサイトマップ