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チェルノブイリ通信 No.60 (5)
2004年6月18日発行
 
チャリティーカット「ヘアサロン・スネガビーク」報告 (1)チャリティヘアカットができるまで
チャリティーカット「ヘアサロン・スネガビーク」報告 (2)チャリティヘアカット影の仕掛人
チェルノブイリパネル展 中学生たちの取り組み
チェルノブイリ原発事故について チェルノブイリは私たちの問題です
・玄海プルサーマル計画をご存知ですか?
チェルノブイリに行ったつもり学習会
ベラルーシの歴史について
総会報告

 
玄海「プルサーマル」計画をご存知ですか?

佐賀県玄海町で計画されているプルサーマルについて
たんぽぽとりで   山中 陽子
 

 プルサーマルは「史上最強の毒プルトニウム」にウランをまぜたMOX燃料を普通の原子力発電所(以下、原発)で使うことをいいます。
 プルトニウムは天然には存在しませんが、原発の中で生まれます。わずか7から8kg(比重が重いのでソフトボールの大きさ)で原爆ができ、体内に取り込まれると目に見えないほどの極微量(許容量は4000万分の1グラム)でガンを引き起こし、放射能が半減するのに2万4千年、千分の一になるのに24万年もかかります。
 プルサーマルはリサイクルではありません。原発の使用済み燃料のうち、93%は劣化ウラン、5%は死の灰、1%がプルトニウムで、この1%を取り出して原発の燃料として使う。それが、プルサーマルです。そのために沢山のエネルギーを使う。しかも1度きり。放射能が強くて2度目は取り出せないのです。こういうのをリサイクルと呼ぶのでしょうか。
 プルサーマルが始まれば、青森県六ヶ所村にある再処理工場が動き出し、新たにプルトニウムをとりだす作業が始まります。日本からの使用済み燃料を再処理してきたイギリスのセラフィールド、フランスのラ・アーグの小児白血病の発生率は高く、鳩からも高い放射能が検出されています。
 「核兵器の材料となる余剰プルトニウムをもたない」というのが国際社会に対する約束ですが、全量再処理を続けてきた日本には既に40トンものプルトニウムがあります。そのプルトニウムを減らすためにプルサーマルをするのだという人もいます。しかしプルサーマルが六ヶ所村の再処理工場の稼動のゴーサインになるのです。つまり「減らすため」といいながら「増やす」手立てとする。これがプルサーマルの実態です。
 プルサーマルのごみ(使用済みMOX燃料)は100年経ってやっと原発のゴミ(使用済みウラン燃料)が10年かけて管理したのと同じくらいの放射能と発熱量になります。玄海原発のプールから移動することも困難です。
 玄海原発内の使用済みウラン燃料の置き場がなくなるから六ヶ所村に運び出す口実にはじめるプルサーマルで、もっと厄介な核のゴミを原発敷地内にかかえこんでしまうことになります。ブラックジョークみたいな話です。
 プルサーマルは事故が起きやすく、事故が起きたら通常の原発事故の5倍の地域が住めなくなります。プルトニウムはウランよりずっと核分裂が起こりやすいため◆原発のブレーキ=制御棒の効き方が悪くなる。◆原子炉の出力のコントロールが難しくなる。◆同じ燃料集合体の中でも出力が高い燃料棒と低いものとの差が大きくなる。◆運転中の放射性ガスの放出が増える。
 こうした問題で、燃料が傷みやすくなったり、原子炉やいろんな機器への負担が大きくなったりと、安全余裕を切り詰めることになるのです。
 プルサーマルを動かし、再処理工場を稼動させたら、どこにも捨てられない核のゴミと膨大なローン(電事連発表で19兆円の負債)を未来の子どもたちに残してしまいます。後戻りができる最後のチャンスです。もっと議論して現実的で安全なエネルギー政策を立ち上げましょう。

「プルサーマルはいりません」  署名にご協力下さい。
 この声を佐賀県知事と玄海町長に届けるため、「脱原発ネットワーク・九州、佐賀県平和運動センター、原発はもういらない九州ブロック会議」が責任団体となって署名を集めています。
 「たんぽぽとりで」も友人、知人、街頭署名と飛び回っています。連絡頂ければ署名用紙を送ります。ご協力お願いします。
  たんぽぽとりで/山中
  電話 FAX 092・882・6933
  e-mail:tampop@wmail.plala.or.jp

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